第5文型のkeepとleaveの語感の違い

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第5文型の表現を復習しましょう。

 

この文では、動詞makeの後にmeという代名詞とproudという形容詞が続いています。to be a seaplane pilotのtoは「感情の原因」を表わすto不定詞の副詞用法です。proudと結びついて「水上飛行機乗りであることを誇りに思う」という意味になります。You make me proudで「S+V+O+C」の第5文型の文になります。Oはobject (目的語)、Cはcomplement (補語)の略です。ここでの補語は主語ではなく目的語を説明します。そのため「目的格補語」と呼ばれます。つまり「誇りに思う」のはYouではなくmeというわけです。マンマユート・ボスの「言われるまでもねえ。それが飛行艇乗りってもんよ。」が意訳されてこういう英語セリフになっていますが、直訳すると「あなたは水上飛行機乗りであることを誇りにする。」という意味になります。

「make + O + C」は頻出表現なので意味を理解するだけでなく、自分でもスピーキングやライティングで使えるようにならないといけません。この場面では引っ越ししようと言うソフィーに対してカルシファーが「だって、サリマンにすぐ見つかっちゃうよ!」と言ったセリフが意訳されて、We can’t do that. It’ll make us too vulnerable!となっています。itは引っ越しをすることです。vulnerableは「脆弱な」という意味ですが、何に対してかというと「攻撃に対して」です。too vulnerableで「あまりにも脆弱すぎる」という意味になります。

 

第5文型の補語は形容詞ではなく名詞の場合もあります。典型的なのが「OをCと呼ぶ」という意味の「call + O + C」です。ここではリンの「セ~ン! お前のことをどんくさいって言ったけど取り消すぞ~!」がSen, I’m sorry I called you a dope before! I take it back!と訳されています。「間抜けな人」をdopeと言います。take A backは「Aを撤回する」です。

 

これはシータではなくパズーのセリフです。himはパズーのお父さんのことです。「父さんは詐欺師扱いされて死んじゃった・・。」が They called him a liar. Being called a liar is what killed him. と訳されています。liarは「嘘つき」です。Being called a liar (by them)はThey called him liarの受動態であるHe was called a liar by themが動名詞になった形です。

 

「イヤなこった!俺はきれい好きなんだ」と言ってポルコがカーチスとの握手を拒否する場面です。Forget it.は相手にそれが不可能であったり重要でないということを示す時に使う表現です。「keep + O + C」は「OをCの状態にしておく」。ポルコは両手をきれいなままにしたいから握手なんてするもんかと言っているわけですね。

 

同じく「keep + O + C」構文です。みんなでカントリーロードを演奏した後の帰りで聖司が「また来いよ。じいちゃん達、喜ぶから。」(You’ll have to come back. Grandpas and his friends would like that.)と言ったのに対し、雫が「聴くだけならなあ。歌うのはつらいよ。」と返事をします。これが意訳されて「次はわたしはずっと口を閉じたままでいるから。大声をあげないし、歌わないし。」という意味の英語になっています。shutは動詞として使うことが多いですが、ここでのshutはclosed (閉じた)という意味の形容詞です。

 

「leave + O + C」の第5文型です。日本語では「keep + O + C」と同じく「OをCの状態にしておく」と訳されます。Leave me alone. は「私をひとりにしてくれ」、つまり自分に干渉してくる人に「放っておいて」、「私に近づかないで」と言う時に使う表現です。

 

leave her aloneだと「彼女を一人にしておけ」、つまり「彼女に関わるな」という意味になります。坊が湯婆婆に千をそっとするように言っているわけですね。このように第5文型のkeepとleaveは共に「OをCの状態にしておく」という意味になりますが、2つは同義語ではないので注意してください。語感はかなり異なります。keepは積極的に行動を起こすことでOをCの状態にします。何もしないでいるとCの状態にすることはできません。ポルコは努力をすることで両手をきれいなままにし、雫はまた大声をあげないように気をつけるために口を閉じたままにします。これに対してleaveは他からの干渉がなければ自然に実現する状況の時に使います。Leave me alone. と言われた相手がするべき行動は何もしないことです。「干渉しない」ことも何らかの行動と言えなくはないですが、この表現が使われる状況というのは、すでに干渉している人に対して「干渉するな」という時に使います。例えば、『天空の城ラピュタ』でムスカが…kept Laputa airborneと述べますが、

According to the legend, the same technology that kept Laputa airborne also made it a major power that once dominated the entire planet.
(ラピュタはかつて、恐るべき科学力で天空にあり、全地上を支配した、恐怖の帝国だったのだ!)

ラピュタを飛行した状態を保つには(airborneはflyingの同意語です)テクノロジーの力が必要です。ここで…left Laputa airborneとすると、ラピュタは他からの干渉がなければ自然と空に浮いた状態を保つことができるという意味になります。ここで気をつけるべきことは、keepもしくはleaveのどちらを使うべきかは客観的な状況では判断できないことです。話し手が何を現状、つまり変更不可能な前提条件と見なすかでどちらを使うかが決まります。ムスカはテクノロジーを変数と見なし、テクノロジーを使うことでラピュタが空に浮いている状態を保つことができたと主張していますが、すでに何百年も空を飛んでいる状況を現状と見なせば、ムスカのような悪人の干渉がなければこれからも空を飛んだままなので、パズーやシータがこの表現を使う場合はkeep Laputa airborneではなくてleave Laputa airborneとなるでしょう。

8月 3, 2017 · Pukuro · No Comments
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