compare toとcompare withの違い

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「比較する」という意味のcompare。英英辞書にはto examine the similarities and differences between two objects or conceptsという意味が載っていますが、2つのものを比較するのであればcompareの後に前置詞が続く必要が出ます。compareの後に続く前置詞にはwithとtoがありますが、受験英語では「AをBと比較する」という意味ではcompare A with Bとcompare A to Bのどちらを使ってもよく、「AをBにたとえる」という意味ではcompare A to Bを使うと習うことが多いようです。試しにいくつかの受験参考書を確認すると

瓜生豊・篠田重晃 『頻出英熟語問題1000』(p.40)には

153 <compare A to B 「AをBにたとえる」>
A book can be compared to a friend. (本は友人みたいなものである)
➡compare A with B 「AをBと比較する」、compare A to B 「AをBにたとえる」と以前は厳密に区別されていたが、実際にはその違いは曖昧である。読解上は、文内容からその意を決定すること。

と説明されています。

『英単語ターゲット1900 5訂版」(p.22)は
compare A with [to] B 「AをBと比較する」

『英単語WIZ 1900』(p.101)はcompareの意味はを(~と)比較する(with); を(~に)たとえる(to)」

DUO3.0(p.279)では

compare A with[to/and]B ABと比較する(contrast A with B/make a comparison between A and B/draw a parallel [an analogy] between A and B)

compare A to [with] B ABにたとえる(liken A to be)

『速読英単語 必修編[改訂第5](p.322)ではcompareの意味が「を(~と)比較する(with, to); を(~に)たとえる(to)」

『システム英単語 改訂新版』(p.11)では
compare A with B 「ABを比較する」
compare A to B 「①ABにたとえる ②ABを比較する」

となっています。どうやら受験生は「AとBを比較する」という意味ではwithとtoのどちらを使ってもかまわない、という風にこの単語の意味を覚えさせられているようです。しかし、compare A with Bとcompare A to Bは同義語ではありません。かなり語感がちがいます。どうも日本の受験生は動詞compareの語法を間違って教えられているようです。以下、compare A with Bとcompare A to Bのちがいについて説明します。

 

compare A with B

「AとBを比較する」とは「AとBを比べて2つの類似点と相違点を調べる」ことを意味しますが、compare A with Bはとくに相違点に注目します。比較するAとBが同じカテゴリーに属して一見似ている時にwithを使うため、2つの違いに焦点が当たるためです。。似たようなものであるからこそ、比較の基準点が設定され、違いに注目することができます。例えば、「食べ比べる」という場合、何を比べるかは「味」であることは一目瞭然です。しかし、「たかしとキッチンテーブルを比較する」という場合、何もかも異なるので相違点に注目することができません。この場合は、逆に類似点に焦点が当たります(例えば、「2つとも足(脚)がある」)。次節で示すように、相違するものから類似点を見出す時に使うのがcompare A to Bです。それに対し、本来同じ性質やグループのものの中に何らかの違いを見出すときにcompare A with Bを使います。

If we compare Japanese schools with American schools, we find there are many differences. (学校という同じカテゴリー)

The police compared the forged signature with the original one. (AというサインとBというサインの比較)

When Eri compares her old boyfriend with her new boyfriend, she points out all the ways in which they are different. (前のボーイフレンドと今のボーイフレンドの比較)

The teacher compared Hiroko’s exam with Takashi’s to see whether they had cheated. (2つの試験の比較)

I compared the performance of my computer with yours, and I must say, your computer is much better than mine. (2つのコンピューターの比較)

compare A with Bはcompare A and Bと書き換えることが可能です(ただし、慣用的にwithを使います)。

I compared the performance of my computer and yours, and your computer turned out to be better.

◆compare A to B

本質的に異なるものを見比べて類似点を見出すのがcompare A to Bです。つまりtoの場合は類似性が主題となりますが、その前提となるのがAとBの異質性です。違うからこそ似ているものに注目できるわけです。つまり、compare A to Bはto claim that A and B are similarという意味になります。

Andy compared his math teach to his English teacher and pointed out that they had in much common in regards to their teaching styles.

数学の先生と英語の先生は本質的に似ているのでwithが使われそうですが、ここではtoが正解です。2人の類似点に注目しているためです。

Her novel was compared to the work of Haruki Murakami.

彼女の小説が村上春樹の小説と比較されていますが、2人の小説のちがいを示すためではありません。違うはずなのに類似点も見いだせるため2人は比較されているのです。

Football experts compared Kagawa to the legendary Pelé.

香川は名選手ですが、サッカーの神様ペレと同じ扱いにするのは恐れ多いことです。だから2人を比べる場合はwithではなくtoが使われ、類似性が焦点になります。文脈によって意味が変わりますが、例えば、香川がハットトリックを決めた時にペレくらいすごい選手だと言いたいときにこの表現が使われます。本質的に違うものが似ているというのは、つまり「たとえられる」ということです。「たとえる」とは物事・道理などをわかりやすく説明するために、似ていることや具体的なことに置き換えて話すことを指します。ここでは香川がペレにたとえられています。

She is such a great singer that some people have even compared her to Witney Houston.

も同様の意味になります。本来はホイットニー・ヒューストンと比べられるわけはないのですが、ホイットニーと比べる人もいるくらい彼女は歌がうまいというわけです。

Congress may be compared with the British Parliament. Paris has been compared to ancient Athens; it may be compared with modern London.

(アメリカの)議会はイギリスの議会、パリとロンドンは同じカテゴリーに属するからwithが使われていますが、今のパリと古代アテネは本質的に異なるのでtoが使われています。ここでも「パリは古代アテネにたとえられている」と訳することができます。

New York has been compared to ancient Rome.

ニューヨークは古代ローマと本質的に異なるからこそ古代ローマにたとえられるわけです。

compare A to Bを使った一番有名な節がシェークスピアの次の一文です。

Shall I compare thee to a summer’s day?

theeは古語でyouを意味します。「君を夏の一日にたとえようか」と訳されますが、異質な2つを比較しているからtoが使われています。

They compared life to a voyage.

「彼らは人生を航海にたとえます。」

The poet compared her to a rose.

「詩人は彼女をバラにたとえた。」

compare A to Bとcompare A with Bのちがいがわかってきたでしょうか。

People compared her to Amuro.

だと、彼女と安室奈美恵をただ比べてみたというのではなく、彼女はアムロみたいに歌やダンスがうまいということを言いたいわけです。これが

People compared her with Amuro.

だと、2人を比べてみたという意味になり、彼女の歌やダンスがアムロ並みにうまいか、それとも下手なのか、この文章だけではわからなくなります。

The human heart can be compared to a pump.

受動態の文ですが、ヒトの心臓はポンプとは本質的に異なるのでここでbe compared withは使いにくいです。本質的に異なるものだから「たとえられる」わけです。

ちなみにcompare A to Bはcompare A and Bに書き換えることができないので注意してください。

 

◆compared withとcompared to

compare A with Bとcompare A to Bの受動態のbe compared withとbe compared toは上記のルールに従いますが、従属節において過去分詞で使われる場合は、compared withとcompared toは同義語化してどちらも「~と比べて」という意味になります。イギリス英語ではcompared withが、アメリカ英語ではcompared toがよく使われます。

My smartphone is really bad, compared to yours.
My smartphone is really bad, compared with yours.
のどちらでも良いわけです。

Compared with running, walking is good for people who have knee problems.

Australia is in a good economic position compared with other developed countries.

Compared to physics and astronomy, cosmology is a young science.

This was a modest sum compared to what other people spent.

「~と比較できる」、「~に匹敵する」、「~に相当する」という意味の(be) comparable toと(be) comparable withも同義語です。

We find ourselves in a situation comparable to medieval times.

His income is comparable with mine.

「~と比べると」という意味のin comparison to, in comparison with, by comparison toとby comparison withも特に意味の違いはありません。どちらかというとin comparison withよりもin comparison to、by comparison toよりもby comparison withが使われます。

The film is utterly benign in comparison to some of the more violent movies of today.

By comparison with the earth, the moon is small.

11月 6, 2017 · Pukuro · No Comments
Posted in: ■英単語豆知識

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