「個人レッスン」はman-to-man lessonじゃないよ

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ちまたではマンツーマンの英会話スクールがあふれています。「マンツーマンレッスン」では一人の先生が一人の生徒を指導します。1対1だと当然、授業料は高くなります。40分で1回当たり5,000円以上取られる英会話スクールも珍しくありません。1対1の英会話レッスンは、低い給料で雇えるフィリピン人講師によるオンライン講座との価格戦争にぼろ負けしているので、いまさら日本国内の英会話スクールに通って1対1で英語を習うメリットはあまりないようにも思えるのですが、いまだ高い需要があるようです。

ところでマンツーマンは和製英語です。日常会話で和製英語(英語に由来する日本語)を使ってもまったくかまいませんが、英語を教える学校が軽々しく和製英語を使うのはちょっと気にかかります。ネットで確認したら、かなりの英会話スクールが「マンツーマンレッスン」、「マンツーマン英会話」という用語を使っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

和製英語としてマンツーマンを使っているだけでなく、man-to-manという英訳(誤訳)を載せてあるサイトも散見されます。

 

http://www.englishcafe-clock.com/lesson/

https://www.nova.co.jp/mtom/

 

英語で「一人に一人が対応すること」という意味でman-to-manという単語が使われることはありますが、それはスポーツの場に限定されます。バスケットボール(basketball)やアメリカンフットボール(football)での防御法にゾーンディフェンス(zone defense)とマンツーマンディフェンス(man-to-man defense)があります。ゾーンディフェンスとは各選手が守備するエリアを分担する防御法であり、マンツーマンディフェンスは、受け持ちするのが場所ではなく人に対してであり、相手1人に対し、1人がディフェンスにつきます。日本語の「マンツーマンレッスン」や「マンツーマン英会話」はこの用法から派生したものだと考えられますが、スポーツ以外でman-to-manがこの意味で使われることはありません。

スポーツ以外ではman-to-manは「(議論や話し合いが)率直な、腹を割って」という意味で使われます。類義語はfrank, honest, direct, candidなどです。a man-to-man talkのように形容詞として使われることもあれば、We talked man-to-manのように副詞として使われることもあります。

I had a man-to-man talk with my son about sex. (私は息子とセックスについて腹を割って話した)

ここでの「私」は父親であることはほぼ確実です。女性がman-to-manになるのは不自然さを感じます。当然、女性も腹を割って話すことはできますが、man-to-manには「男だからこそ腹を割って話せる、女性にはできないこと」というニュアンスが含まれるからです。つまり、女性に対して侮蔑的な意味合いが全くゼロとは言えない言葉です。だからこの単語を使うときは多少は気をつけた方がよいかもしれません。

「マンツーマンレッスン」は「プライベートレッスン(private lesson」というのが正解です。英会話学校のネイティブ講師は「マンツーマン英会話」や「マンツーマンレッスン」という表現を使うことに反対していないのでしょうか。女性講師や女性の生徒さんは文句を言わないの?

というようなことを思っていたら、すごい宣伝文句の英会話学校を見つけました。

 

「女性限定のマンツーマンの英会話スクール」

 

 

 女性限定なのに「マン」なんですね。和製英語おそるべしです。

12月 22, 2017 · Pukuro · No Comments
Posted in: ■英単語豆知識

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