contribute toは「~に貢献する」じゃないよ

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大学入試問題にもよく出てくるcontribute toという動詞を「~に貢献する」という意味で覚えている受験生が多いようです。contributeには「寄付する」、「寄稿する」という意味もありますが、「貢献」の意味について試しにいくつかの受験英単語集を確認すると、「速読英単語」では「貢献する(to); 一因となる」。「英単語ターゲット1900」では「寄与[貢献]する」、contribute toが「~に寄与する; ~の一因となる」。「システム英単語」では「(+to A)Aに貢献する; Aの一因となる」、「英単語WIZ1900」では「貢献する」となっています。ここで興味深いのは「~に貢献する」に並列して「~の一因となる」という意味を載せている英単語集もあることです。「貢献」は「良い結果をもたらすこと」、「一因」は「一つの原因となること」を意味します。「一因」の場合は一つの原因となり良い結果が生じることも、悪い結果が生じることもあります。喫煙のせいでガンになるのは悪い結果の方です。だとすると、contribute toを「~に貢献する」という意味で覚えるとこの単語の持つ語感を習得できなくなってしまいます。

しかし、英語脳メルマガ」というサイトには「contribute は「貢献する」または「寄付する」という意味になります。また、転じて「一因を担う」という意味にも使われますので覚えておきましょう。という説明がなされています。「貢献する」がベーシックの意味でそれに派生して「一因となる」という意味も持つという説明です。「メディエイゴ」というサイトでも、contribute の意味は「貢献する」ですが…Various factors may contribute to sleep disorders.…はネガティブな「貢献」です。「睡眠障害になるために貢献している」,すなわち「睡眠障害を起こす要因になっている」と訳せるわけです。」と説明されています。

「貢献する」の意味が転じて「一因を担う」という意味にも使うだとか、contributeには「ネガティブな「貢献」」という意味があるとか、訳の分からない説明です。

contributeという単語は日本語で意味を覚えると訳が分からなくなる典型です。「一因となる」がcontributeの意味であり、「貢献する」はその意味から派生した一つの「和訳」にすぎません。contributeには日本語の「貢献する」に含意されているプラスのニュアンスがありません。プラスなことにcontributeするときにのみ日本語では「貢献する」と訳されるというだけのことです。逆に言うと、英語では「一因となる」ものが良いものであっても日本語の「貢献する」のようにそれが良いことの一因となっていることを示す動詞にいちいち言い換えることがないというわけです。英英辞典にはcontributeは以下の意味だと説明されています。

Longman Dictionary of Contemporary Englishではto help to make something happen。載ってある例文はアルコールがアメリカで毎年1万人の死を招いているというもの Alcohol contributes to 100,000 deaths a year in the US.

Cambridge Advanced Leaner’s Dictionaryではbe on the reasons why something happen。載ってある例文はサブプライムローンで景気が後退したというもの Analysis agree that subprime loans contributed to the recession.

Dictionary.comではan important factor in; help to cause。載ってある例文は突然土砂降りの雨が降ってきて交通渋滞が起きたというもの A sudden downpour contributed to the traffic jam.

contributeの派生語の形容詞contributoryも受験英語では「寄与する」という意味で覚えさせられますが、原意はbeing one of the causes of a particular result (Longman Dictionary of Contemporay English)もしくはhelping to cause something (Cambridge Advanced Learner’s Dictionary)です。

Smoking is a contributory factor in lung cancer. (Longman)

Too little exercise is a contributory factor in heart disease. (Cambridge)

contributeは「貢献する」と和訳することが可能な場合もあるというだけであって、contributeは「貢献する」という意味ではないということを正しく理解しましょう。

8月 1, 2018 · Pukuro · No Comments
Posted in: ■英単語豆知識

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