ニューズウィークの「英語じゃなくてグロービッシュ」記事の疑問

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NewsWeek日本版の最新号で「英語じゃなくてグロービッシュ」という特集号が組まれています。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/2010/11/post-1809.php

国際化した英語はネイティブが話すアメリカ英語とは異なり、語彙も表現もシンプルな簡易型であるべきとのことです。使われる単語数は1,500語程度で十分だそうです。その例文が二つ載っています。

例①
アメリカ英語:This little tidbit of literary joy is amiable and a slam dunk to peruse, notwithstanding the fact that it has the overwhelming gall to propose a revamping of our methods of verbal exchange around the world.

Globish:This book is easy to read and with pleasure. Still, it proposes a complete change in the way we communicate around the world.

例②
アメリカ英語:Native English speakers can’t quite hack it when they need to dump down to the 1,500 key words. The language they have to speak or write in expected to be kosher, if not perfect.

Globish:Native English speakers have great difficulties when they want to reduce their words down to the 1,500 key ones. On top of that, the language they have to speak or write is expected to be correct, if not perfect.

アメリカ英語の例として出されている例文が酷いです。無駄にわかりにくい表現を使うことはアメリカでも望ましいこととはされません。グロービッシュの方の例文の方がまだましですが、それは比較として出されている例文がひどいからにすぎません。

よく英会話は中学英語で十分とか、1,500語で英語は使えるとかいう人がいますが、語学力をつけたいのであれば、ボキャブラリーを強化しないといけません。その理由は2つ。
①自分は1,500語で話せるようになっても、相手の人がグロービッシュを使うかどうか分からない。グロービッシュで話せるようになっても、相手の言うことを聞いて理解することができなければコミュニケーションは成り立ちません。またそれだけの語彙力ではリーディングができないし、テレビやラジオで話される英語を理解することもできません。それってつまらない英語力ですよね。

②少ない語彙で英語を話せるようになる方が、語彙力をつけるより大変だったりします。甥のことをnephewではなく、the son of my brotherって言うのは楽でしょうが、言い換えるのが大変な言葉なんていくらでもあります。「リス」はsquirrelと覚える方が、リスを1,500語で説明するよりよっぱど簡単です。「昆虫」はinsect。a type of very small, air-breathing animal with six legs, a body divided into three parts and usually two pairs of wings, or, more, generally, any similar very small animalと説明する方がよっぱど大変です。また、基本動詞と前置詞を組み合わせると非常に多くの表現ができますが、それらを覚える労力(たとえば、「延期する」はput off)はpostponeという単語を覚える労力と変わりません。1,500語で英語が話せるようになるといっても、実際に覚えないといけない語彙数が1,500語のわけはありません。

6月 28, 2010 · Pukuro · No Comments
Posted in: ■英語学習法

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