『天空の城ラピュタ』で仮定法を学ぶ

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アニメ英語で英文法を学べるのか? スピーキングとリスニングの力をつけるために英語アニメを視聴する人は多そうですが、英文法を習得するためにあえてアニメを見る人はあまりいないかと思います。ところがどっこいジブリアニメは模範例文が満載です。書き言葉ではない会話では英文法は大して重要でないと勘違いしている人が多いですが、当然、口語英語でも正しい英文法を使って話せるよう気をつけないといけません。今回は、英語版『天空の城ラピュタ』を通じて「仮定法」を復習してみます。

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パズーがシータから飛行石を借りて屋根の上から飛び降りると、そのまま階下に落ちてしまいます。するとパズーの頭の上にシータも落ちてきます。シータ「平気。ごめん・・。痛かった?」パズー「ううん、ぼくの頭は、親方のゲンコツより、かたいんだ。」

ここでの英語セリフはかなり意訳されていますが、仮定法が使われています。仮定法では今のことについての仮定は過去形を使い、昔のことについての仮定は過去完了形を使うことを思い出してください。

(Sheeta) Oh, you scared me. Does it hurt much?
(Pazu) Are you kidding? If my head were any harder, you could use it as a cannonball.

scare=~を怖がらせる; Does it hurt?=痛い?; Are you kidding?=まさか; cannonball=砲弾、砲丸

パズーは「ボクの頭は十分固いから大丈夫さ」と言うところを仮定法を使って、「自分の頭がもっと固かったら砲丸に使えるよ」と言っています。仮定法でなければIf my head is any harder…となりますが、自分の頭を固くすることはできないから仮定法が使われているわけです。仮定法とは何かを仮定するときに使うルールと勘違いしないように気をつけてください。仮定法は現在の事実に反すること・現実に起こる可能性のないことを仮定するときに使われます。実現可能なことについて仮定するときは直説法が使われます。例えば「彼女とデートしたら」という表現もその彼女がクラスメートの一人だったら直説法、AKB48のメンバーであれば仮定法が「通常」使われます(「通常」というのは例外もありうるから)。

仮定法を難しいと感じる人も多いですが、仮定法はライティングだけではなく会話でもよく使われます。固い表現ではけっしてありません。「ラピュタ」でのシータとパズーの会話には仮定法がよく出てきます。ドーラやムスカに追われて廃坑道に落ちたときの2人の会話。

(シータ) ひどい目にあってないかしら…。親方さんや、機関士さんたち…
(パズー) 大丈夫。鉱山の男は、そんなにヤワじゃないよ。さあ、行こう! 出口を探さなきゃ。

英語版ではこう訳されています。
(Sheeta) I hope they’re all right – your boss and his wife and that nice train engineer.
(Pazu) My friends are all miners. They can take care of themselves. I wouldn’t worry about them if I were you.
be all right=大丈夫である; miner=鉱山労働者; take care of oneself=自分の身は自分で守る; worry about=~について心配する

パズーの知り合いの安否を心配するシータに対して、パズーは「ぼくが君だったら彼らの心配なんてしないなあ」と言っています。If I were youは仮定法で一番よく使われる表現です。自分があなたになることは実現不可能なので必ず仮定法が使われます。『魔女の宅急便』で猫のぬいぐるみを森の中に落としてしまったキキはそれを取りに行こうとしますが、そのときジジが言った言葉が

(Jiji) If I were you, I wouldn’t go back down there again.

です。カラスの襲撃がこわいから今戻っちゃダメだよとジジは警告してます。

『ハウルの動く城』での一場面です。荒地の魔女がタバコを吸い続けるので部屋の中が煙だらけになってしまいます。そこでソフィーはマルクルに窓を開けてと言います。

(Sophie) Markl, will you crack a window, please?
crack a window=窓をほんの少し開ける

すると荒地の魔女はぽつりと言います。「窓は開けない方がよいと思うよ…カルちゃんの力が弱くなっているからね。奴らが入ってくるよ。」

(Witch of the Waste) I wouldn’t open that window, if I were you, dear. Calcifer’s too weak right now to protect this place. Suliman’s henchmen could get in.
henchman=子分、手下; get in=中に入る

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「もしAがBだったら」という仮定法の表現はI I were you you以外にもいろんな形で用いることができます。ムスカに捕まったシータが「パズーは?パズーに会わせて!」と言うと、ムスカはこう返答します。

「はやりの服は嫌いですか?・・・彼なら安心したまえ。あの石頭は、私のより頑丈だよ。・・・来たまえ。ぜひ、見てもらいたいものがあるんだ。 」 英語版ではこう意訳されています。

(Muska) Now, this is fit for a princess. Don’t worry, Sheeta. Your friend is being treated as if he were the guest of royalty. I want you to see something before you see him. Please step inside. Look there.
be fit for=(服が)~にぴったりだ; the guest of royalty=王族の来賓; step inside=中に入る

「まるで~であるかのように」という意味のas ifは直説法でも仮定法でも用いられますが、炭鉱で働くパズーが王族のゲストであるわけはないですから、事実とは異なる空想ということで仮定法が使われています。直説法ではあれば…as if he is the guest of royaltyとなります。

仮定法では定番のI wish構文も『ラピュタ』には出てきます。パズーが天空の城のお墓を見てこうつぶやきます。「お墓だね。彫ってある字が読めるといいんだけど・・・。」 英語版ではこうなっています。
(Pazu) Wow. It must be a monument. I wish I could read what it says.
monument=記念碑(a statue or building that is built to honor a special person or event)

I wish…は実現できそうもない事柄について「~だったらいいなあ」と願望を表すときに使う表現です。パズーはラピュタの言葉を読めるようになりたいけどそれはほぼ100%実現不可能な願望なのでこの表現が使われているわけです。[I wish S + V]構文は仮定法でしか使われません。現在に関する願望ではVが過去形、過去に関する願望だとVは過去完了形になります。ここでは今実現したいと願っているのでI can read…ではなくI could readになっています。

仮定法はこのようにアニメ英語で学ぶと意外と早く習得できるかもしれませんね^^。

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8月 4, 2013 · Pukuro · No Comments
Posted in: ・ラピュタ

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