他動詞のprepareとprepare forのちがい

Pocket

北米版 『借りぐらしのアリエッティ』に、受験生であればだれでも知っているprepare forという表現が出てきます。「もう何人かしか居ないんだよね? 僕も母に聞くまでは、君たちの事知らなかった。 …これまでにも多くの生き物が絶滅してきた。 僕も本でしか見た事無いけど…。 美しい種族達が地球環境の変化に対応できなくて滅んでいった。 残酷だけど…君たちもそうゆう運命なんだ。」という翔のセリフがかなり意訳されています。

「翔 アリエッティ」の画像検索結果

Believe me, I know what I’m talking about. Sometimes things happen to us that are just beyond our control. And when these things happen, there’s really nothing you can do about it. You just accept it and prepare for the worst. I wish it wasn’t that way. But you can’t live a life that’s built on nothing but wishes. It isn’t practical. Sometimes you just have to accept the hand of fate.

ここでのprepare for the worstは「最悪の事態に備える」という意味です。prepare forという英熟語はかなり定番のため、多くの受験生がこの意味だけ覚えるため、他動詞のprepareとの違いが分からなくなっている人が多いようです。『風の谷のナウシカ』でのクロトワとクシャナ間のセリフで他動詞prepareが出てきます。

クロトワ: Something must have happened because she’s starting to look a kind of cute to me.
(何があったか知らねえがかわいくなっちゃって まあ)

クシャナ: Prepare the troops to attack.
(クロトワ、その者たちを放せ!)

クロトワ: What? We’re not going to wait?
(ハッ? それでは待ちますか)

クシャナ: We’ll begin the attack in one hour. So get the troops fed and ready to go.
(兵に食事を取らせろ。1時間後に攻撃を開始する)

クロトワ: Ah, yes, food. Plenty of time for a leisurely meal.
(メシねえ。ゆっくり食うことにしますか)

「クシャナ クロトワ」の画像検索結果

ここでもかなり意訳されています。というよりも別訳です。クシャナの「クロトワ、その者たちを放せ」というセリフが「攻撃するための兵士を準備せよ」という意味のセリフに変わっています。troopsは「軍隊」や「部隊」と訳してもかまいません。prepare for the worstとprepare the troopsの違いに注意してください。兵士を準備することはできますが、最悪の事態は準備できません。最悪の事態はそれ自体「を」準備するものではなく、「に対して」準備するものだからです。だからprepare the worstという表現はあり得ません。逆にprepare for the troopsという表現は必ずしも間違いではないですが、あまり使われません。この場合は「兵士のためにAの準備をする」という意味でprepare A for the troopsという表現がよく使われます(e.g., prepare meals for the troops)。このように主体的に作り出すものでない場合は他動詞のprepareを使うことができません。例えば、「不測の事態に備える」はprepare for a contingencyとなりますが、「不測の事態」は自分で作り出すものでないのでprepare a contingencyとは言いません。「地震に備える」もprepare for an earthquakeとは言いますが、prepare an earthquakeと表現することはありません。「大学入学に備えて準備する」はprepare for collegeとなります。大学自体を用意することはないのでprepare collegeとは言いません。

試験問題を作るのは生徒ではなく教師です。だから I have to prepare the examination. の場合は、「教師が試験を用意する」という意味になります。I have to prepare for the examination. だと「生徒が試験の準備をする」という意味になることが多いですが、教師が主語でもかまいません。「試験問題を作るための準備をする」という意味かもしれないからです。

そのものを用意するときは他動詞を使い、そのものの前準備という場合はprepare forになるというわけです。prepare the reportだとレポートを作成すること、prepare for the reportだとレポートを書くために必要な資料等を準備するという意味。prepare dinnerは夕食の用意をすること、つまり実際に料理を作ることなど。prepare for dinnerは夕食の準備をすること、例えば、食材を買うことなど。

他動詞のprepareとprepare forは
①prepare forでしか表現できないもの
②どちらでも使えるが主体が変わることで意味が全く変わるもの
③prepare Bはprepare A for BのAが省略された形であり、BはAの前準備となるもの、
の3種類があるので違いに注意してください。

7月 1, 2015 · Pukuro · No Comments
Posted in: ■英単語豆知識

Leave a Reply