ナウシカの英語(9): should have + 過去分詞

ナウシカとユパ様の会話です。

ナウシカ 「父はもう飛べません。」
ユパ 「ジルが?森の毒がもうそんなに。」
ナウシカ 「はい。腐海のほとりに生きるものの定めとか。」
ユパ 「もっと早くに訪れるべきであった。」

英語ではこうなっています。

NAUSICAA – Father can’t fly anymore.
YUPA – King Jihl? So the jungle’s poisons are taking their toll.
NAUSICAA – Yes. Father says it’s the fate of all of us who live near the jungle.
YUPA – I’m sorry. I
should have come sooner.

not anymore = not any longer もう~でない
take its/their toll = cause suffering, deaths or damage
大きな損失をもたらす
fate = what happens to a particular person or thing, especially sth sth final or negative, such as death or defeat
運命、宿命

今日の重要構文は<should have + 過去分詞> です。「~すべきであった」〔実際にしなかったことを含意。過去の行為に対する非難・後悔を表す〕という意味になりますが、ユパ様になったつもりで一言。

I should have come sooner.

一発で<should have + 過去分詞>をマスターしたんじゃない?(^^)。①英文は日本語の対訳として覚えない; ②既知のストーリーの文脈の中で、キャラになりきって3回セリフを言う。これで簡単に英文を覚えることができます。これがEnglish Studio流英文暗記ですからね☆

ナウシカの英語(8): 動物を飼うはkeep or have?

ナウシカがキツネリスのテトに声をかけます。

NAUSICAA – There’s nothing to fear. Nothing to fear. Hmm. See? Nothing to fear. Right? You were just a little scared, weren’t you? He’s perfect. Will you let me keep him, Lord Yupa?

YUPA – Of course. Certainly

日本語セリフはこう。

「ほら、こわくない。こわくない。うっ。ほらね、こわくない。ねえ。おびえていただけなんだよね。うふ。うふふふ。ユパ様、このこ私に下さいな。」「おお、かまわんが。」

be scared = be frightened 怖がる

<let A do>構文についてはhttp://www.sanctio.jp/archives/1152を参照してください。

今日の課題は「(動物)を飼う」という意味の動詞についてです。学校でkeepって習っている人が多いと思いますが、「ペットを家で飼う」という場合はふつう、haveを使います。keepはなんか冷めたニュアンスがありますねえ。だから利用価値があるから飼うという場合はkeepになります。
I keep chickens in my garden.

家でわんこを飼う場合は
I have a dog as a pet.

ナウシカはkeepを使っていますが、Will you let me have him?でもかまわないと思います。キツネリスは野生動物だから、愛玩的な対象とみなくてkeepを使ったという解釈が1番正しいのかな。

ナウシカの英語(7): have no choice but to

キツネリスをナウシカに見せるユパ様。

「こいつが羽虫にさらわれたのを人の子と間違えてな。つい銃を使ってしまったのだ。」

YUPA – I saw an insect carrying him off, and I mistook him for a human baby. I had no choice but to use my gun

insect = 昆虫(bug)
bugの語源については以下を参照
http://www.ma-santa.com/2006/10/bugtapwire.html

carry A off = Aを持ち去る、運び去る

mistake-mistook-mistaken
mistake A for B = confuse sb/sth with a different person or thing

have no choice but to = ~する以外の選択肢はない、~せざるを得ない ◆have toとほぼ同義。やや強めた表現

私のことが大好きな彼はとってもキモイ人なんだけど大のお金持ち。12人の子どもを抱えて生活するのは大変。そんなときにはこの一言。
I have no choice but to marry him.  |  彼と結婚するしかないのね。

ちなみに「えり好みのできない選択」のことをHobson’s choiceといいます。
<この語句は、17世紀にトーマス・ホブソンというイギリスの男に由来するようです。馬を貸す商売をしていた彼は、常に入り口に一番近い馬しか貸し出さず、それを客が拒むと、馬は貸してもらえなかったのだそうです。このことから、選り好みのできないときにこの「Hobson’s Choice」という表現を使うようになったということです。> http://www.toeic.or.jp/square/miniq/index.php?d=0000000164&p=1参照


ナウシカの英語(6): 過去完了

ナウシカ「まああ、キツネリス。私初めて。」

NAUSICAA – Wow, is that a fox-squirrel? I’ve never seen one.

ここでの現在完了は「経験」を表しています。キツネリスを見た経験がないと言っているわけです。「現在完了―経験」についてはhttp://www.sanctio.jp/archives/1887を参照してください。

英語版ではユパ様が次の返答をします。

YUPA – I hadn’t, either.

I hadn’t seen a fox-squirrel, either.と言っているわけですが、ここで過去完了<had+過去分詞>が使われていることに注目してください。ナウシカはユパ様のポーチの中にいるキツネリスを「今」初めて見たから、現在完了が使われているわけです。現在というこの一点においては見ているけど、それ以前はまったく見たことがなかったから現在完了です。でもユパ様は「その前」にキツネリスを初めて見たわけです。だからユパ様にとってはキツネリスを見るという行為は過去形なんだけど、その過去の一点を基準にすると、それ以前は見たことがなかったから過去完了が使われているわけです。

<生まれてから(past1) -> 30分前(past 2)  -> 今(present)>

ナウシカは<past 1 – present>の間、キツネリスを見たことがなかったから「現在完了」、ユパ様は<past 1 – past 2>までキツネリスを見たことがなかったから「過去完了」。

わかりました?

ところで、eitherは否定文の後に続いて、「~もまたない」という意味になります。ここでは、ナウシカと同じく私もキツネリスを見たことがないといっているわけです。肯定して「~もそうです」というときは、tooを使います。
例文: “He can’t speak English fluently.” “No, you can’t do that, either.”


ナウシカの英語(5): nothing but

ユパ 「おお。オウムが森へ帰っていく。光玉と虫笛だけでオウムを静めてしまうとは。」

Unbelievable. It’s going back to the jungle. She turned it back with nothing but an insect charm and flash grenades.

unbelievable = extremely surprising
go back to = return to
turn A back = make A return in the direction A has come from
insect = 昆虫
charm = チャーム、(腕輪などにつける)飾り、お守り
insect charm = 「虫笛」
flash = a sudden bright light that quickly disappear 閃光
grenade = 手榴弾、薬品入り球弾
flash grenade = 「光弾(ひかりだま)

今日の課題はnothing but。「ただ~だけ」、「~のほかは何もない」という意味ですが、同意語はonlyです。<nothing but = only>をしっかり覚えておきましょう^^。


ナウシカの英語(4): I wonder if…

ナウシカは「オウムの抜け殻(Ohmu shell)」についていた目を殻から外して持って帰ろうとします。

ナウシカ「すごい目。これひとつなら持って飛べるかな?」

What an amazing eye. I wonder if I could fly back home with this.
amazing = extremely surprising
fly back home = 飛んで家に戻る、帰国する
with… = ~をもって

<I wonder if>構文については次を参照
http://www.sanctio.jp/archives/1410

wonderは要するに自問自答するということです。「あれって何々かしら」って頭に浮かんだら、ネイティブには自然とI wonder…という文句が浮かんできます。次のif節で具体的に、何について「~かしら」が規定されます。この言い回しを自然と出せる日本人は意外と少ないようです。I wonder if…で覚えるよりも、なにか疑問が起きたら、I wonderとつい口に出すクセをつけた方がいいかもね。

ナウシカの英語(3): 現在完了―経験

ナウシカ―「オウムの抜け殻。すごい。完全な抜け殻なんて初めて。」

NAUSICAA – A perfect ohmu shell. Amazing. I’ve never seen a whole shell before.

前々回で「継続」の現在完了を習いましたが、今回は「経験」を表す現在完了です。「~したことがある」もしくは「~したことがない」という経験を表すときにこの構文を使います。ここでナウシカは、以前に(before)に1度も(never)「完全な抜け殻」を見たことがないと主張しています。実はここでbeforeを付け加えなくても文章の意味はほとんど同じになります。

I’ve never seen a whole shell.
と言っても、現在完了に違いはないのですから、過去から現在に至るまで「完全な抜け殻」は見たことがないということになりますからね。

ナウシカの英語(2): 付帯状況

「腐海と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の森がひろがり 衰退した人間の存在をおびやかしていた。」

NARRATOR: A toxic jungle now spreads, threatening the survival of the last of the human race.

toxic jungle = 腐海
toxic = poisonous 有毒の
the human race = all people, considered as a species 人類

threateningは分詞構文で「付帯状況」といわれるものです。付帯状況をよく理解できていない人は多いと思います。ある英文法書にはこう書かれています。

「同時に行われる動作、または連続する動作・出来事を表す。」別の所では、「付帯状況とは、「~をしながら」や「~の状態のままで」というように、ある状態のままで何か他の動作をしていることをいいます。」

わかったような、わからないような説明ですね。

ある英文法書での例文: I was lying in bed, watching TV. (私はベッドに横になっており、テレビを見ていた。)

英文法書の付帯状況の説明を読んでもわかった気にならないのは、なぜネイティブはこのような文章を書きたがるか説明していないからです。別にI was lying in bed and watching TV.と書けばいいだけのことなのに、なぜ分詞構文を使うの?

ナウシカのナレーターも、A toxic jungle now spreads and threatens the survival of the last of the human race.と言えばいいだけのことでしょう。

答えはandにあります。英語の論文に書き慣れていた人では誰でも知っていることですが、センスのある文章を書くためにはandをできるだけ使わないようにしないといけません。語と語をつなぐ場合にandを使うのはまったく問題がありませんが、句と句、節と節をつなぐためにandという接続詞をあまり使わない方が望ましいとされています。文章のリズムがこわれるからです。付帯状況をまったく知らない人でも「正しい」英文は書けます。でも、「かっこいい」英文は「絶対」書けないわけです。


ナウシカの英語(1): 現在完了―継続

今日から「風の谷のナウシカ」の英語を分析します。まずは現在完了。

「巨大産業文明が崩壊してから1000年」というナレーションは英語ではこうなっています。

NARRATOR: A thousand years have passed since the collapse of industrialized civilization.

a thousand years = 1,000年
pass = (時が)過ぎ去る、たつ
collapse = 崩壊 a sudden failure in the way sth works, so that it cannot continue
industrialized = 工業化した、産業化した
civilization = 文明 human society with its highly developed social organizations

現在完了は、<have [has] + 過去分詞>の形をとります。since(~以来) Aが続く現在完了は、since Aの時期から現在までのある状態の「継続」を表します。ここでは、1,000年前に産業文明が崩壊し、その崩壊状態が今も続いているというわけですね。ただし、「1000年たった」というのは一瞬の時であって、「継続」ではないのではないかという疑問が出てくるでしょう。I have been sick since last week.だと先週から病気になっている状態が継続しているのが簡単に理解できるけど、「時が過ぎた」が継続するというのはどういうことなのか。この問いに関心がある方は下のサイトの説明を読んでね^^。

http://questionbox.jp.msn.com/qa4950914.html

魔女は英語がペラペラ(2) anyway

キキは女の子たちに囲まれて質問攻めにあいます。

(少女A)「ねえねえ、どんな町にするの?」
(少女B)「大きな町?」
(キキ)「うん、海の見えるところ探すつもり。」

英語版では、友達が答えを出し、キキがそれに同意するという形をとっています。

GIRL A: You’re gonna find a city by the ocean?
GIRL B: Or maybe a town?
KIKI: Uh-huh.  That’s what I’m hoping, anyway.

be gonna = be going to
be = near
the ocean = a very large area of sea

oceanには定冠詞がつきます。つまり「通常」、an oceanではなく、the oceanという形をとります。それはoceanがthe great mass of salt water that covers most of the Earth’s surfaceという意味をとり、A海、B海というように複数のoceanという海があるというイメージを持たないからです。oceanは複数存在しないわけですから、だれかがoceanと言えば、それは誰にとっても共通の認識をもち既知的なモノだからtheがつくわけです。ちなみにここで、「通常」と但し書きをつけましたが、それは、冠詞の使い方はつねに話者がどうモノを認識しているかに依存しているので、an oceanというケースもありうるからです。

anywayは「強調」の副詞です。ジーニアス英和辞典ではこう訳されています。
1 [文頭でコンマを伴って](すでに述べたことはさておき)いずれにせよ, ともかく《◆それていた話をもとに戻して, 話の本題に入ることを示す. 特に話し手が本当に言いたいことを述べるときに用いる》
2 [文頭で最初の音節をのばし, 下降調で発音され, 後に長い休止を伴って;時に But ~] それはそうとして(ね)《◆話し手が今の話題から離れて話を続けてほしいときに用いる》
3 [文末に置かれ, その前に切れ目なく発される] とはいうものの, それでもやはり《◆nevertheless より口語的;直前の内容と現発話とを断絶し, 談話の区切りを強調するために用いる》
4 [コンマを伴い疑問文の後に置いて] それはそうと《◆話の流れを断ち切り本題に戻すことを示す. 本題が前に明示されないことが多い》
5 どんな方法にせよ《◆in any way より口語的》;[否定文で] どうしても(…できない)
6 [略式][通例 just ~] いいかげんに, ぞんざいに(carelessly)《◆この意味では anyhow がふつう》

kikiのanywayはどれに相当するのでしょうか。私はめんどくさがり屋なのでこういう時はさっさと英英辞典で意味をチェックします。Cambridge Advanced Learner’s Dictionaryではこういう説明がなされています。

1 whatever else is happening; not considering other things
2 used in conversation to emphasize what is being said
3 In conversation, anyway is also used to change the subject, return to an earlier subject or get to the most interesting point

例文を勝手に作りました。
1 I’m gonna marry Keiko Kitagawa anyway.
3 Anyway, I’m not interested in your dream.

キキのanywayは明らかに2ですね。私は海のそばの町に住みたい、といった後に、それを強調したくてanywayを加えたわけです。everと同じく、anywayも英和辞典だと語感がよくわからない英単語と言えます。