アニメで翻訳: ツンデレ表現

病気のお母さんに会いたくて、メイは1人で七国山病院に向かいます。メイを探しに行くサツキ。

「メイのバカ。すぐ迷子になるくせに。」

英語ではセリフがまったく変わります。

I shouldn’t have yelled at her.   This is all my faut.
(メイをどなりつけなきゃよかった。全部わたしが悪いんだわ。)

yell at = ~をどなりつける
fault =  過失、落ち度、責任 a mistake, especially something for which you are to blame

訳がまったく変わっていますが、これは致し方ないことです。英語の方がサツキの本心を表しています。自分がもっとメイの気持ちを気づかってあげれば、いなくなったりしなかったのにと後悔しながら、メイを探しに行きます。別に本当にメイのことをバカと思って言ったセリフではないはずです。

実はサツキはツンデレだったわけです。ツンデレとは「気が強いため、好意を寄せている相手を突き放すような態度をとってしまう、照れ屋な性格のこと」をさします。だからこのようなメイを突き放すようなセリフになったわけですが、アメリカにはツンデレ文化はないため、この日本語セリフをそのまま英訳してもサツキの気持ちは伝わらないから、セリフの内容がまったく変わったのだとおもいます。




アニメで翻訳: いただきま~す!

アメリカ人はご飯を食べる前に「いただきます」とは言いません。「ごちそうさま」とも言いません。Let’s eatと訳することはできませんが、これだとちょっと味気なさすぎます。

「いただきます」は翻訳者泣かせの言葉です。「となりのトトロ」でサツキがおばあちゃんの畑で、取れたてのキュウリを食べる場面があります。カンタのばあちゃんが「よ~く冷えてるよ~。」と言うと、サツキが「いただきま~す」と言って、キュウリをがぶっと食べます。

ここでの英語セリフはこうなっています。

GRANNY: Mmm.  Nice and cold.
SATSUKI: Mark, get set, go!


On your mark, get set, go!のOn yourが省略された形ですが、これはかけっこでの「位置について、用意、ドン!」のことです。

でも、きゅうりをかじるときにこのセリフではなあ。。。ちょっと失敗ぽい英訳ですね。

■「となりのトトロ」サイト

ykrさんが書かれた[Ghibli]米映画評論家が見た『となりのトトロ』
アメリカの映画評論家
ロジャー・エバート(Roger Ebert)氏の評論サイトrogerebert.comがおもしろい。たくさんの映画レビューがある。見たことのある映画の分は全部読みたくなる。先日、千と千尋を思い出していたこともあり、宮崎駿関連を見てみた。

やっぱりトトロの英語(7): I like it this way.

七国山病院での会話です。

お母さん 「さつき。おいで。ちょっと短すぎない?」
サツキ 「私、この方がすき。」

MOM – Let’s see your hair, Satsuki.  You sure it isn’t a little too short?
SATSUKI – No,
I like it this way, Mom.

「さつき。おいで。」が「サツキ、髪を見せて」に変わってますね。”You sure it…”ではareが省略されています。”You are sure…”が正しい英語です。

I like it this way.はよく使う表現なのでそのまま覚えておきましょう。それよりもこれの方が好きだってことです。ここでは、もっと髪が長くすればと暗に示唆するお母さんに対して、この短いままの髪の方がいいと言っているわけです。

やっぱりトトロの英語(5): That’s it.

大トトロ、中トトロ、小トトロ勢揃い

3人がお母さんをお見舞いに病院に行く前に、洗濯をしています。

SATSUKI/MEI – one, two, one two, one two.
DAD – That’s it. Stamp that dirt out, girls. That’s it.
MEI – One, two.
DAD – OK. That’s all the chores. You’re done.

dirt = (泥・ほこりなどの)汚れ
stamp =
〔地面・床などを〕踏みつける、〔足を〕踏みおろす
stamp A out = get rid of sth that is wrong or harmful (悪いものを)一掃する、取り除く

この場面で、サツキとメイは洗濯物を足で踏みつけて洗濯しています。stamp that dirt outで、足で踏みつけて汚れを取りのぞくという意味になります。

chore = 雑用(a job or piece of work which often boring or unpleasant but needs to be done regularly)。この単語は複数形になって、雑用の寄せ集めの「家事」という意味にもなります。ちょっと家事をネガティブに受け取った感じの言葉ですね。

You’re done = You are finished.  仕事が完了したって事です。

今日のキーワードはThat’s it. 相手の言葉に相づちを打って「そうだね」、「そのとおりだ」という時によく使いますが、ここではとくに、運動をしているときや、物の使い方を人に教えているときに、相手が正しい動き・操作をしたときにThat’s it.という言葉を使うことを覚えておいて下さい。お子さんがいる家庭ではしょっちゅう使わないといけないセンテンスですね^^。



やっぱりトトロの英語(4): Whatever…

初代北米版My Neighbor Totoro DVDです

お父さん 「みんな笑ってみな。おっかいのは逃げちゃうから。」

メイ 「メイ、怖くないもん。怖くないもん。」

DAD – Everybody, try laughing.  Then whatever scares you will go away.
MEI – But, Dad, I’m not scared.  What?  I’m not scared.

scare = make A feel frightened ~を怖がらせる
go away = leave a plane 立ち去る
be scared = feel frightened 怖がる

Whatever…「~するものは何でも」の意味で名詞節を導きます。ここではWhatever scares youで文の主語になってますね。

やっぱりトトロの英語(3): Eat all you like.

こちらのトトロDVDは表紙の絵がうまいですね。

カンタがもってきたおはぎをみんなで食べています。

カンタのおばあちゃんのセリフ、「たんとお上がり」は英語ではこう訳されています。

Eat all you like.

「好きなだけお食べ」の英訳が使われていますね。

やっぱりトトロの英語(2): go get

北米版トトロDVDだけど、傘の女の子がサツキにもメイにも似てないです^^;

カンタのばあちゃん 「さあさ、掃除しよ。川で水くんできておくんな。」
サツキ  「川で?」
メイ 「メイも行く!」

英語ではこう。
Come on, girls.  Let’s get to work.  Who’d like to fetch some water for the pump?
I’ll
go get it.
I’ll go too!

意訳されてますね。

get to work = 仕事に取りかかる
fetch = ~を行って取ってくる(go and get sth and bring them back)
go get = ~を取ってくる

go getはgo to getもしくはgo and getのto or andが省略された形です。口語英語ではこのようにgoの後に別の動詞がつくことがよくあります。go get=fetchです。
I’ll go get you some coffee.
I’ll go get something to eat.

やっぱりトトロの英語(1): be A’s age

もちろんトトロですよ。

サツキがカンタのばあちゃんにまっくろくろすけのことを尋ねます。するとばあちゃんはススワタリの話をします。

「んだ。だ~れもいねい古いうちにわいて、そこらじゅうすすとほこりだらけにしちゃうのよ。ちいちぇえ頃にはわしにも見えたが。そうかあ、あんたらにも見えたんけ。」

That’s right.  They live in old, empty houses, and run all over the place, covering everything with dirt.  I used to be able to see them when I was your age.  So you’ve seen them too.  That’s very interesting.

empty = not containing any things or people 空っぽの

all over the place = あらゆる所に

dirt = dust, earth or any substance that makes a surface not clean よごれ

used toは「過去の習慣」を表れしてます。「昔は~だったのう」って感じ^^?
I used to be popular among young girls.

be A’s age  = Aと同じ年である。
若い者に説教をするおっちゃん、おばちゃんには必須のイディオムですね。
I was very popular among young girls when I was your age.
うーむ、1度くらいこんなセリフを言ってみたいですね^^。

トトロの英語(12): まっくろくろすけ

まっくろくろすけ弁当


まっくろくろすけはススワタリという妖怪の通称です。まわりをすすだらけにするのが大好きなかわいい妖怪ですが、英語名は3種類あります。お父さんはまっくろくろすけのことをsoot gremlinと言います。

gremlinは小悪魔。「すすの小悪魔」ってわけですね。gremlinは機械を壊すのが大好きないたずら好きな小さな妖怪って感じです。

でもおばあちゃんはススワタリのことをsoot spriteと言います。spriteは小妖精のことです。でも英語字幕を見ていたら、おばあちゃんはsoot spreaderとよんでいました。spreaderは肥料などの散布機や広げるものという意味の、spreadの名詞形です。つまり、soot spreaderはススをまき散らすものという意味になります。

北米版「となりのトトロ」の字幕はcaptionsとsubtitlesの2種類があります。captionsとはclosed captions(クローズドキャプション)の略ですが、これは耳が不自由な人のために作られた字幕のことです。captionは実際の音声に極めて忠実に作られます。だからよく聞き取れなかったセリフはキャプションを見て正しいセリフをチェックすることができます。

ところが、アメリカで売られている日本のアニメに収録されているsubtitleのほとんどは、実際の音声と一致しません。subtitleは日本語のセリフを直訳調に英語に訳します。実際のセリフはアメリカ人でも楽しめるよう意訳されるので、時にはオリジナルの日本語セリフとはまったく異なるものになります。