英文アブストラクト

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Studioの英文アブストラクト作成・翻訳・校正サービス

■以下の大学・研究機関から英文校閲の依頼がありました。
札幌市立大学、旭川大学、弘前学院大学、日本赤十字秋田看護大学、東北大学、宮城大学、宮城学院女子大学、東北学院大学、北陸先端科学技術大学院大学、福島県立医科大学、新潟県立看護大学、新潟青陵大学、上越教育大学、信州大学、松本大学、群馬大学、群馬県立県民健康科学大学、宇都宮大学、自治医科大学、埼玉県立大学、人間総合科学大学、筑波大学、茨城大学、秀明大学、順天堂大学、麗澤大学、東千葉メディカルセンター、了徳寺大学、千葉県農業共済組合連合会、千葉県立鶴舞看護専門学校、国際医療福祉大学、文化庁、東京大学、首都大学東京、慶應義塾大学、国立精神・神経医療研究センター病院、お茶の水女子大学、青山学院大学、東洋大学、白百合女子大学、早稲田大学、明治大学、法政大学、國學院大學、日本赤十字看護大学、目白大学、日本女子大学、聖心女子大学、杏林大学、東京慈恵会医科大学、東京医療保健大学、武蔵野大学、昭和大学、川崎市立看護短期大学、帝京平成大学、帝京科学大学、浜松医科大学、聖隷クリストファー大学、岐阜聖徳学園大学短期大学部、中京学院大学、藤田保健衛生大学、愛知県立大学、中京大学、三重大学、三重県立看護大学、滋賀県立大学、滋賀医科大学、聖泉大学、 梅花女子大学、関西医科大学、奈良教育大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学、立命館大学、関西学院大学、龍谷大学、京都橘大学、大阪大学、大阪府立大学、大阪医科大学、神戸大学、兵庫医療大学、神戸常磐大学、芦屋学園短期大学、広島大学、広島工業大学、広島国際大学、広島文化学園大学、島根大学、高知大学、九州大学、福岡県立大学、福岡女学院看護大学、筑紫女学園大学、福岡大学、日本赤十字九州国際看護大学、佐賀大学、活水女子大学、長崎大学病院、熊本大学、鹿児島国際大学、琉球大学、名桜大学

 

株式会社STUDIOは邦語論文の英文アブストラクト校正・翻訳・作成の業務を請け負っています。

 

■申込方法
Eメール(sanctio@gmail.com)でお申し込み下さい。その際、
(1) 名前
(2) 所属機関
(3) 希望するサービス(例「日英翻訳300 wordsを希望します」)、
(4) 投稿予定の学術誌名
(5) その他要望(締切日や研究費・科研費などの公費支払い希望等)
を記入してください。依頼者と確認がとれ次第、
和文要旨(英文校正もしくは日英翻訳を希望の方)もしくは英文要旨(英文校正を希望の方)をEメール添付にて送ってもらい、英文抄録の校正・翻訳・作成作業を開始します。論文原稿もあればメール添付にて送ってもらえると助かります。提出していただいた論文原稿のファイルは外付けHDに保存し、業務終了後一年後に廃棄します。

ご不明な点はお気軽にEメールでお問い合わせ下さい。英文抄録は業務開始から1日~3日で完成します。まず作成した英文アブストラクトを依頼者にEメールで送付します。その後、依頼者と協議しながら英文を修正し、完成原稿を作成します。依頼者が満足できる原稿を完成させたら業務が終了です。

初めて仕事を依頼する方は、本当にちゃんとしたアブストラクトを作成してくれるかどうか不安になると思います。そのような不安を解消するため、STUDIOでは代金支払いを後払いでお願いしています。依頼者が満足できるまで協議を重ねながら、英文アブストラクトを作成しますが、それでも依頼者が作成されたアブストラクトに満足できなかった場合、キャンセルをしてかまいせん。中途解約料を支払う必要はありません。

 

■価格表(税込み)

(1) 英文要旨校閲 基本料金
英語校正 (50 words毎)
日英翻訳 (50 words毎)
和文・英文要旨作成 (50 words毎)
   5,000円
+1,000円
+1,500円
+4,000円
(2) 英語タイトル・英語キーワード校閲   1,500円
(3) ネイティブチェック&証明書作成   2,500円

校閲費早見表

200 words (151-200語) 250 words
(201-250語)
300 words (251-300語) 350 words (301-350語) 400 words (351-400語)

英文校正

9,000円 10,000円 11,000円 12,000円 13,000円

日英翻訳

11,000円 12,500円 14,000円 15,500円 17,000円

要旨作成

21,000円 25,000円 29,000円 33,000円 37,000円

※「要旨作成」は論文を読んで和文要旨を作成し、さらにその和文要旨を元に英文要旨を作成します。

 

■サービス概要

(1) 英文アブストラクト
英文アブストラクト・サービスには、著者が英文で書かれたものの英文校正、日本語で書かれたものの日英翻訳、邦文原稿をもとに当方が和文要旨と英文要旨を作成する要旨作成の3種類があります。「日英翻訳」を希望する方は、英文語数規定の倍以上の文字数で日本語要旨を作成して下さい(例えば、英文200ワード以下の英文要旨が必要な場合は和文400字以上の日本語原稿が必要になります)。また、参考にするので本文もあれば提出をお願いしています。
日本語と英語は文法や修辞法が異なるため、和文要旨を直訳しても正確でわかりやすい英文要旨はできあがりません。最初に本文を精読することで、論文の内容を正確に把握します。そうすることで和文要旨の行間を読み取ることが可能になり、質の高い英文要旨の作成が可能になります。つまり、STUDIOが作成する英文要旨は和文要旨の単なる直訳ではありません。依頼者が作成した和文要旨が本文の要約として不適当と判断した場合、和文要旨の内容も変更します。

(2) 英語タイトル・英語キーワード
学術誌の目次には論文タイトルがいくつも並んでいます。タイトルに興味を引かれない限り、だれもあなたの論文を読んでくれません。逆に言うと、あなたの論文を読む人があまりいなくても、かなりの数の人たちが論文のタイトルは目にしています。とくに学術誌が電子アーカイブ化されていれば、論文タイトルは全世界に公開されます。そのため、英語タイトルは以下の点にとくに気をつけて作成する必要があります。

  • 必要な情報が読者に伝わっているか。
  • キーワードをタイトル含めているか。
  • 簡潔に書かれているか。
  • 文法とくに冠詞の使い方に間違いはないか。
  • キャピタライゼーション capitalization (小文字を大文字にすること)は正確か

STUDIOでは、英語タイトル校閲サービスをおこなっています。うまく英語タイトルを作成できない方は気軽にご相談ください。また、多くの学術誌が5つ程度の英語キーワードを提出することを義務づけています。英語タイトル校閲サービスを依頼された方には英語キーワードのチェックもおこないます。
※キャピタライゼーションについては「英語タイトルの大文字ルール」を確認してください。

(3) ネイティブチェック&証明書作成
英文抄録のネイティブチェックを義務づけている学術誌に論文を寄稿する方のためのサービスです。ネイティブ・アメリカ人のスタッフに英文の最終チェックをしてもらい、その証明書を発行します。

●その他無料サービス
希望者には、著者名、所属機関、勤務先の所在地らの正しい英語名を作成します。また、日本語の本文中にタイプミス、わかりにくい文章、筋の通っていない議論を見つけた場合は報告します。

●その他有料サービス
英文抄録校閲以外にも、論文翻訳やポスター英文原稿校閲等の和文英訳をお引き受けしています。英文抄録校閲以外の日英翻訳の料金は、総額4万円以内の場合は20円/1字総額4万円以上8万円未満の場合は19円/1字8万円を超えると18円/1字となります。詳しくはお問い合わせ下さい。

 

■支払い方法

サービス開始時に見積料金を提示します。研究費・科研費等の公費での支払いを希望する方には、見積書・納品書・請求書を発行します。サービスが完了次第、下記の口座へお振り込み下さい。

西日本シティ銀行 西新町支店 普通口座 1510514
カ) ステユーデイオ


■個人情報保護

株式会社STUDIOは、個人情報の保護に関する法令およびその他の規範を遵守し、個人情報に関する個人の権利を保障するとともに、個人情報を適切に保護、管理します。提出いただいた原稿のファイルはインターネットが接続されていない外付けHDに保存し、業務終了後一年以内にすべて消去します。依頼原稿の知的財産権は依頼者に属し、その内容について外部に口外することはありません。


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■邦文学術誌の英文アブストラ クトについて

日本には2014年現在、1176の学会が存在し、学会が発行する邦文学術誌の多くが英文abstractを掲載しています。 英文アブストラクトは、英文要旨、英文要約、英文概要、英文抄録、英文摘要、英文サマリー、英文シノプシスとも呼ばれますが、なぜ邦文学術誌に掲載される論文に英文要旨を載せる必要があるのでしょうか。その理由のひとつに文部科学省の指導があります。文部科学省所管の独立行政法人である日本学術振興会は、学会誌の出版助成を行っています。この「学術定期刊行物」助成は、科学研究費(いわゆる科研)における研究成果公開促進費からなされますが、研究成果公開促進費から出版助成を受けるためは、学術誌が学術の国際交流に寄与していることを示す必要があります。「学術定期刊行物」審査は毎年11月に受付が始まり、翌年4月に交付内定、6月に交付が決定されますが、平成20年度新規採択率は 68.5%にとどまり、採択率は年々低下する傾向にあります。この助成金を受けるため、論文の英文要旨を掲載する学会誌が増えています。

とはいっても、外国人がいちいち邦文学術誌を手に取り、英文アブストラクトをチェックするだろうか。こんな疑問をもつ方も多いと思います。15年前だったら当たり前のこの疑問がいまでは通用しなくなっています。多くの学会誌が、インターネットで英文アブストラクトを無料で公開し始めているからです。科学技術振興機構(JST)の電子アーカイブ対象選定委員会の選定により、多くの学会誌が掲載論文の電子アーカイブ化を進めています。電子アーカイブとは、誌面を電子データ化し、JSTのサイト上で公開することを指しますが、これに伴い、日本語を読めない海外の研究者も、邦文学会誌の英文アブストラクトをインターネットで閲覧することが可能になりまし た。

このような事情により、多くの学会誌が英文アブストラクトも論文掲載を決定するための重要な評価対象にしています。英文アブストラクトに関する規定は学術誌により異なります。英文校閲会社と契約 し、投稿論文の英文チェックを編集委員会が行う学会も一部ありますが、ほとんどの学会は著者校閲を原則としており、粗雑なアブストラクトを提出すると論文掲載が却下されます。大半の学術誌では、英語に関して十分な知識をもつ専門家から英文アブストラクトの校閲を受けることを義務づけています。英文アブス トラクトがうまく書けない人に英文校閲者を紹介している学会もありますが、アブストラクト校閲にかかる費用は投稿者負担となります。

英文アブストラクトが論文審査の対象外の場合でも、雑な英文を見せられると、レフェリーに日本語論文も適当に書かれているのではないかと疑われるので、自分の英語力に不安な方は、英文チェックを第三者にしてもらってから論文を投稿することをお勧めします。

 

■よいアブストラクトの書き方

アブストラクトは要点を短くまとめ た学術論文の紹介文です。アブストラクトは論文の最も重要な情報を読者に伝えます。ある英英辞典では、abstractとは”a short clear statement that contains only the most important facts or arguments”であると説明されていますが、読者はまずアブストラクトを読むことで、論文のメイン・ポイントを把握し、その論文を読むかどうか決めます。電子アーカイブ化の進展により、誰でもインターネットで論文のアブストラクトを目にすることができるようになっています。大半の学術誌は本文をイ ンターネット上に無料で公開していないので、ウェブの世界では、研究者の評価がアブストラクトの質で大きく左右されます。本文を単にまとめたものだけだと軽く考えずに、できるだけ多くの人が自分の論文に関心がもてるようアブストラクトを作成しましょう。

どうすれば質の高いアブストラクト を書けるようになれるでしょうか。ここでは特に気をつけるべき事を2点指摘しておきます。まず第1に学術誌が指示する投稿規定をちゃんと守って下さい。アブストラクトの規定語数は学会誌により異なります。規定語数の80%~100%の語数で必ず書いて下さい。アブストラクトで書くべき事を細かく指定している学術誌もあります。アブストラクトは減点法で評価されるので規定を遵守してください。第2に、読者が本文を読まなくても論文の内容を正確に把握できるようアブストラクトを作成してください。執筆者は論文を執筆した後にアブストラクトを書くので、つい読者には未知のことも既知のことと見なして、重要ポイントをアブストラクトで省略してしまいますが、読者はアブストラクトから読み始めることを忘れないでください。本文を読むことを前提としてアブストラクトを書かないよう気をつけて下さい。本文を読まなくても本文の主旨をわかりやすく説明したのがアブストラクトなのを忘れずに。

では具体的にアブストラクトで何を書くべきなのでしょうか。学術誌に掲載される論文の多くは実証分析をおこなっていますが、そのような論文では自然科学系、社会科学系を問わず、研究の目的ないし仮説、仮説の妥当性をテストするための方法、テストの結果を明示しなければいけません。実証系ではない論文ではこのようなルールに従う必要はあり ませんが、いかなる論文でも、論点を明確にし、この論文を読むことでしか得られない新たな知見が何かを示してください。逆に、常識的なことをアブストラクトに含めないで下さい。また、論文検索に引っかかるように、必ずキーワードをアブストラクトに盛り込みましょう。

次に英語でのアブストラクトの書き方について述べます。まず理解してほしいのは、日本語の要旨を英語にそのまま直訳してもよいアブストラクトにはならないということです。邦文では、簡潔で主張がはっきりした文章は拙く感じられますが、英文は簡潔で、明確なのがいい文章と見なされます。とくに学術論文では婉曲であいまいな表現は忌み嫌われます。ここでは英文でアブストラクトを書く際にとくに気をつけるべき事を7つにまとめて述べておきます。

  1. correct
    文法と英単語のスペルを間違わないようにする。大抵のワープロソフトには英語の文法・スペルチェック機能がついているので、必ず文法・スペルチェックをする。英語力に不安な方は英語が得意な方に文章を見てもらう。学術論文ではとくに冠詞の使い方に気をつける。
  2. simple
    言いたいことはできるだけわかりやすくシンプルに表現する。ワンセンテンスにアイデアは1つ。タイトルを読めばわかることは省略し、同じ事を繰り返さない。長すぎるセンテンスはさける。
  3. clear
    自己の主張は、判断評価の弱々しい動詞(suggest)や助動詞(mayやmightなど)や形容詞・副詞(possibleやmaybeなど)を使わずに、はっきりと断定的に述べる。
  4. active
    受動態はできるだけ使わない。語り手の視点から能動態で自分の意見を主張する。
  5. variational
    同じ構文を続けて使わない。同じ接続詞を続けて使わない。同じ単語(普通名詞、形容詞、動詞)をできるだけ繰り返して使わない。要するに多様な表現を心がける。
  6. objective
    客観性をもたせるため、主語に一人称(I, We)を使いすぎないようにする。また主観的な表現(I think that…やIt is interesting that…など)を避ける。
  7. rhythmical
    be動詞でなく一般動詞を使うことで、名詞ではなく動詞で表現することで、文章に躍動感を作る。文章のつなぎにandとbutを使わない。代わりに分詞構文や副詞句を用いて重文を複文にする。

 

よい英文アドバイザーの見分け方

自分なりに満足できる論文を書き終えたが、アブストラクトを英語でうまく書けなくて困っている。英語が不得手だから日本語で論文を発表しているのに、なぜ要旨は英語で書けと難題をふっかけてくるのか。こう感じる人は多いと思います。その際に誰に英文校閲を頼めばいいのか。身近にアブストラクト校正・翻訳・作成のお手伝いができる人がいるのであれば、その方に頼むのがベストだと思います。また、私みたいな個人ではなく、大手の翻訳業者の方が信頼できると考えている方も多いと思います。その考え方は人それぞれだとは思いますが、日本語論文における英文アブストラ クトの校正・翻訳・作成業務というのは、翻訳業においてかなり特殊な部類に入るので、いい校正者・翻訳者を見つけるには多少のコツがいります。それについていくつか述べておきます。

身近に英語ライ ティング能力のある日本人がいれば、その方にアブストラクト校正・翻訳・作成を頼みましょう。ただし、日本語を読めないネイティブに、英語要旨の校正を頼まない方がよいです。英語ではなく和文要旨自体に問題がある場合、日本語の本文をチェックできないと直しようがないからです。論文翻訳の業者は数多くありますが、その大半はネイティブ(インド人・フィリピン人等の英語圏アジア人も含める)による英語校正サービスです。日本人スタッフが英訳した英文をネイティブが英語校正しますが、ネイティブに校正を頼まないといけないレベルの英文しか書けない人に和文英訳を頼むのは避けた方がよいでしょう。

また、英語ができても、英語の論文指導ができるわけではないということも留意しておいて下さい。TOEICで満点をとれる人であれば英語でメールをすらすら書けるでしょうが、その人が学術論文のアブストラクトを書けるとは限りません。英語で小説を書ける人もサイマルで同時通訳をしている人も、英語で学術論文を書いたことがなければ、英文アブストラクトの指導はできないでしょう。実際に英語の論文を執筆し、テクニカル・ライティングの技術を習得している人に仕事を依頼しましょう。論文英語に関する教科書の定番は、William Strunk, Jr.のThe Elements of Style (New York: Longman)とAPA論文作成マニュアルです。英語ができても、この二つを読んだことのない人にはアブストラクト校正は頼まない、というのが最低限の基準になるかもしれません。

個人的には、名の通った翻訳会社に仕事を依頼するより、いいフリーランスの校正者・翻訳家を見つけて、その人に仕事を頼むことをお勧めします。翻訳会社の多くは、契約している翻訳家が依頼者と個人的に契約することをおそれて、誰が実際に自分の論文を校正・翻訳しているか明らかにしません。会社には優秀(そうな)翻訳家を抱えていても、実際には下請けに仕事を頼むことも多いようです。しかし、依頼するたびに担当者が変わっていては、あなたの執筆力は伸びません。論文をコンスタントに発表している研究者の多くは、同じ人に英語校正・翻訳を頼んでいます。信頼できる英語アドバイザーを見つけたら、その人と長い付き合いをする。そうすることで、英文においても自分のスタイルを構築することができるようになります。翻訳者・校正者との対話は不可欠です。電話で、Eメールで気軽に相談できる人を見つけましょう。それがとくに大事なのは、そうすることによってのみ執筆者が、自分が論文をコントロールしているという主体性を守れるからです。校正者・翻訳者の言われるがままに文章を直していたら、それは誰の論文だということになりかねません。彼らはサポーターにすぎません。校正者・翻訳者に自分の作品である論文の修正を全面的に任せないようにしましょう。

では、どうすれば適任者を見つける ことができるのか。結局は、実際に適任者と思える人に頼んでみて、その仕事を見て判断するしかありません。また個人的な付き合いを継続するには相性も大事です。良さそうな人を見つけたら、自分の論文のアブストラクト校正・翻訳・作成ができるか確認をして、大丈夫という返答があれば費用がどれくらいか尋ね てみる。そこで折り合いがついたら、「後払い」で仕事を依頼しましょう。依頼した時点で代金を支払ってはいけません。お店のオーナーになったつもりで考えてみて下さい。新装開店なので看板を立てないといけないし、チラシも作らないといけない。そうなると看板・広告業者に仕事を依頼しなければなりませんが、 看板・チラシができあがる前から代金を支払うバカはいません。表題は論文の看板であり、アブストラクトはお店のチラシです。できあがったものもそれに満足できなければちゃんとクレームをつける。そしてそのアブストラクト校正・翻訳・作成に満足できたら後にのみ対価を支払う。ちゃんとした職人であれば「後払い」でなにも文句を言いませんので、作品ができあがる前から代金を支払わないように気をつけてください。

 

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通常翻訳とアブストラクト翻訳の違い

「英文アブストラクトの校閲先の見つけ方」についてです。一番大事なのは、論文やポスター原稿などの翻訳と和文抄録の翻訳の違いを理解することです。ちゃんとした英文要旨を作成しようとすれば、同じ分量の和文英訳よりも2倍は時間がかかります。3つの理由があります。まず英文アブストラクトは査読の対象になるので英文もより高いクオリティを求められます。厳しい査読者に当たると、ちょっとした英文の間違い一つで論文が受理されずに修正を求められます。次に英文アブストラクトはネットで公開されることです。自分の名前を検索したら必ずインターネットに出てくる文章ですので直訳調の拙劣な英文にならないよう気をつけてください。最後がワード数の調整です。英文アブストラクトは「●●語以内」という語数制限があるので語数を調整する必要があります。規程語数の9割以上というのが原則です。「250語以内」という規定であれば225~250ワードにしましょう。語数を減らすのは比較的楽ですが、語数を増やすのは手間暇がかかります。和文要旨を全訳しても英文要旨の語数が足りない場合は、著者に翻訳用の文章を追加してもらうか、翻訳者が本文を参照して英文を増やさないといけません。和文抄録の英訳を依頼するときは、このような点を考慮してください。

翻訳者選びの注意点

一番大事なのは会社は信用しないことです。信頼できるのは個人のみです。翻訳をするのは翻訳者です。いくら定評のある翻訳会社でも、ダメな翻訳者を割り当てられれば拙劣な翻訳しかできあがりません。そのため信頼できる翻訳者探しをしないといけませんが、最初から信頼できる翻訳者に出会える人もいれば、何度も失敗を繰り返してやっと出会える場合もあります。見つかるまで辛抱強く、努力を怠らないようにしないといけません。そこで信頼できる翻訳者を見つけるための注意点を最後に3点だけ述べておきます。研究費は法人相手でないと使えないので、翻訳会社を通して信頼できる翻訳者を探さないといけませんが、以下の業者は避けましょう。

1. 通常翻訳とアブストラクト翻訳を区別していない。

アブストラクト翻訳は通常翻訳よりも手間暇がかかりますが、一部の業者ではふたつの区別がなされていません。そのような業者では通常の翻訳と同じようにアブストラクト翻訳をするため、アブストラクト翻訳で生じる手間暇を無視して翻訳がなされます。そのため料金は安くなりますが、後で問題が生じる可能性が高くなります。

2. 日本人とネイティブの校正者が担当する。

翻訳業者によくあるのが日本人とネイティブの2人で翻訳を担当するというものです。1人よりも2人の方が安心できそうですが実際には校正者が複数いる方が英文のクオリティは下がることが多いです。それは和文英訳を担当する日本人の翻訳クオリティが低いためです。和文英訳のクオリティが低いから英文校正が必要になるのであって、最初からネイティブ並み/以上に英文を書ける日本人が担当していればネイティブチェックをする必要はありません。

また最初の英訳で誤訳があるとネイティブが後で校正しても直しようがありません。ネイティブ校正者は日本語の原稿を読めないので、日本人校正者が誤訳しているかどうかの判断ができないからです。彼らができるのはスペルチェックと文法チェックくらいなものであるということを理解しておきましょう。翻訳者に必要な能力というのは「最低」ネイティブ並みのライティング能力です。あくまでもそれが最低ラインであり、「お金を貰っているプロなんだったら並み程度じゃだめだ。ネイティブの中でも上位1割に入るくらいの英文を書けよ」くらいの要求をしてもかまいません。決して、ネイティブチェックが必要な翻訳者に仕事を依頼してはいけません。

3. 翻訳者と直接交信できない。

翻訳会社に登録している翻訳者の受け取ることのできるマージンは翻訳料金の半分以下と思ってかまいません。1万円のお金を支払えば、翻訳者に対して1万円分の仕事をすることを期待しがちですが、実際に翻訳者が受け取る額は5千円以下という事です。そうなると依頼者と翻訳者共に翻訳会社を通さずに直接取引をしたい誘因にかられます。例えば翻訳会社を通さずに7,500円の翻訳料で取引をすると、翻訳会社を通じてよりも依頼者・翻訳者共に2,500円得をします。翻訳会社があるからこそ依頼者と翻訳者の間で接点が生まれたのですから、翻訳会社も報酬を得るのは当然のことなのですが、翻訳の質が高ければ高いほど、依頼者は次回からは翻訳料金の全額を翻訳者に支払いたいという気持ちになります。

そのため翻訳会社の多くは誰が翻訳したかを公開しません。Eメールで依頼者と翻訳者が直接やり取りすることが禁止されているだけでなく、翻訳者の名前も知らされません。毎日パソコンに向かって仕事をしているので大抵の翻訳者はブログをやっていたり、フェイスブックやツイッターのアカウントを持っているため、翻訳者が誰かわかると次回に翻訳依頼をする時に直接、翻訳者に連絡する可能性があるからです。翻訳者が翻訳会社の社員であれば、会社を通して翻訳依頼をしてくださいと言うでしょう。しかし9割以上の翻訳者はフリーランサーとして翻訳会社と委託契約をして翻訳をしています。フリーランサーなのですから直接、翻訳を依頼されて断ることはありません。翻訳依頼者と翻訳者ともにウィンウィンなのですから、中間マージンを取られないこの状況こそが理想的とも言えます。

困るのは翻訳会社です。そこで翻訳会社の多くは依頼者が翻訳者と直接、話ができないようにしています。そういう所では翻訳者の名前もわからなければ、翻訳者に直接eメールを送って質問することもできません。こうなると依頼者はちょっとした質問も形式的な手続きを通して出ないとできなくなります。それは非常に煩わしいことです。翻訳者が誰か依頼者にわからない最大のデメリットは翻訳の質が下がることです。翻訳者も一人の人間ですから、良い翻訳をして依頼者に感謝してもらえればうれしくなります。「感謝してもらえる」以上に頑張れるものはないのですが、自分のことがほとんど匿名状態だとがんばろうという意欲がどうしても下がってしまいます。相手側には自分が翻訳していることがわからないのですから、それは致し方ないことです。こういった理由から翻訳が必要となった場合は、翻訳者と連絡を取り合えることが可能な翻訳業者か、フリーランスの翻訳者に翻訳を依頼することをお勧めします。